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Take care the interpolation algorithm when you shrink a image. [Technology]

画像を拡大する際には、補完アルゴリズムとしてbilinearよりもbicubicの方が良いことは皆さんご存知だと思います。縮小に関しても同様で、元データのディティールを活かした縮小画像を作るにはbicubicを選んでください。

以下は実例です。
Photography blog掲載のEOS M実写RAWデータをRaw Therapeeで現像してTIFF形式で保存した画像を、bilinear(左)とbicubic(右)で縮小しました。元画像の1/2縮小なので差が出づらい条件ですが、bicubicの方が明らかにディティールが残っています。
Down_scaling.png

EOS Mのダブルレンズキットが安価になってきたので購入を考えていたですが、公開されているRAWデータを使って画質を検討してみたところ、ISO100でも暗部ノイズが多く私の許容限度を超えていました…。
D5100を更新するカメラが、なかなか見つかりません。

Is RAW file a real raw one? [Technology]

位相差検出画素や白飛び防止画素などの特別な機能をもつ画素が埋め込まれたセンサーが増えてきました。
それらの画素はRAWファイル中でどのような扱いになっているのでしょうか?
そこで、撮像面で位相差検出が可能なNikon1 J3のRAWファイルをデモザイクを行わずに展開し、位相差検出画素があると思われる領域のG画素の配置を検証しました。

まずは、位相差検出画素の存在位置を同定する必要があります。そこで、ニコンのJ3製品サイトに掲載されていた位相差検出エリアの配置画像と、DpreviewのJ3公開RAWファイルを重ね合わせて、位置を決定しました。
J3_center_1.png
内側から二つ目の同心円までのどこかに位相差検出画素が存在するはずです。

モザイク画像の対応する位置から、少し大きめの範囲でG画素を抽出しました。
J3_center_2.png

Chipworksが撮影したセンサー表面画像では、位相差検出画素は直線状に並んでいました。したがって、ベイヤー配列に乱れが存在するはずです。しかし、どこにもそのような乱れは見られませんので、補完されているのでしょう。

カメラユーザーがサードパーティーの現像ソフトウェアで現像することを考えると、カメラメーカーとしては補完しなければならないことは理解できます。しかし、そのようなデータファイルをRAWと呼んで良いでしょうか?

私は、メタデータ付きのセンサーネイティブデータがRAWで、それ以外は加工画像だと思っています。

しかし、キヤノンはデモザイク後に縮小したTIFFファイルをsRAWやmRAWと呼び、ニコンもD810でネイティブサイズではないRAWを設定しましたので、カメラメーカーはRAWの定義にあまりストイックではないようです。

Intel's Custom Foundry Business for Panasonic SoC [Technology]

Intelがファンダリービジネスとして、パナソニックのSoCを製造するようです。
パナソニックのセンサーは、製造ラインの移籍先であるTower Jazzが製造すると思いますが、Intel製造の低消費電力で高速なヴィーナスエンジンチップが登場するかもしれませんね。

The Pregius, global shutter pixel technology for CMOS image sensors by Sony [Technology]

ソニーが、グローバルシャッター機能搭載のCMOS撮像素子のブランド"Pregius"を発表しました。
http://www.sony.net/Products/SC-HP/sensor/technology/pregius.html

CCD構造を利用したCMOS撮像素子との事ですが、以下の特許申請のようにフォトダイオードに電荷蓄積部をつないだものと思われます。
特開2012-004443:固体撮像装置、電子機器
20140703124430860328.gif

ピクセルピッチが小さな撮像素子では、カメラ内の様々な機械系の動きがブレの要因になりますが、この技術を利用すれば撮像素子サイズに関係なくメカニカルシャッタレスのカメラが可能になりそうです。
大型撮像素子を積んだカメラが、現在よりも身近な価格になるかもしれませんね。

NHK has developed 35mm full-frame 133MP 60p CMOS sensor! [Technology]

NHKが60pで取り込み可能な133M画素のCMOSセンサーを開発しました。

A/D変換が8bitとしても、データストリームは8GB/secです。35mm full-frameのセンサーでこの速度を実現した構造と回路はどうなっているのでしょうか?
また、データの転送方式と保存手段も思いつきません。3G SDIを束ねたとしても20本以上が必要で、1TBのストレージでもRAWを128秒しか撮影できません…。

Is Merrill sensor the same in SD1 and DP? [Technology]

以前、DP3 Merrillの画像にホットピクセルやコールドピクセルがあると報告しました。

その際には開口面積の問題と結論しましたが、DpreviewにSD1のFull reviewがありRAWデータが公開されていました。そこで、SD1のデータをDCRaw readerで展開し、DP3 Merrillと比較しました。

上半分がSD1で、下半分がDP3 Merrillの画像です。色彩の調整を行っていないため、青みがかっています。
SD1_DP3M.png

前回は気にしていなかったのですが、DCRawで展開すると、センサーのオプティカルブラックと思われる領域も見ることが出来ます。この領域が、SD1では上部と右側に、DP3 Merrillでは下部と右側に存在します。面白いことに、DP3 Merrillの右下隅にはグレースケールと思われる領域がありました。しかし、SD1の右上隅にはそのようなパターンはありません。

掲載した画像の露出時間は、SD1が1/25secでDP3 Merrillが1/13secと長時間露出ではありません。ところが、DP3 Merrillのオプティカルブラック領域は、SD1に比べ明らかに明るくなっています。掲載の画像は、センサーからの輝度データをフルに使い、コントラストの調整は行っていません。多分、DP3 Merrillのセンサーは、ライブビュー用に読み出し速度がSD1よりも高速化され、そのためにA/D変換の揺らぎや熱ノイズが大きくなり、SD1よりも総合的なノイズレベルが上がっているのだと思います。ライブビューは便利ですが、静止画では画質に良いことはありません。

センサーの性能をフルに引き出せるのは、センサーを必要な時だけ駆動するDSLRだと思います。

Moire seems to be depending on the chromatic aberration of lens. [Technology]

デジタルカメラで撮影された画像に出現するモアレは、画素ピッチのナイキスト周波数によって説明されますが、レンズの収束円の大きさや色収差も影響を与えるはずです。
Sony ILCE-7、RX1RとNikon D610はライカ判24M画素センサー、Sony ILCE-7RとNikon D800Eはライカ判36M画素センサーなので、これらで同一被写体を撮影した画像を比較すれば、何らかの示唆が得られるはずです。
そこで、Dpreviewで公開されている画像で比較しました。

画像はRGBの順に並べています。

まずは24M画素シリーズです。
ILCE-7
ILCE-7_iso50_cropped_RGB.png

RX1R
RX1R_iso50_cropped_RGB.png

D610
D610_iso50_cropped_RGB.png

次に36M画素シリーズです。
ILCE-7R
ILCE-7R_iso50_cropped_RGB.png

D800E
D800E_iso50_cropped_RGB.png

画像を見て直ぐに分かることは、ILCE-7/7RのBチャネルが、RX1RとD610ではRチャネルが汚いことです。
画素ピッチが異なるILCE-7と7Rで、共通しているのは撮影レンズです。Sony 85mm F1.4 ZAの色収差がBチャネルに大きな影響を与えているのでしょう。
RX1Rの35mm F2.0とNikkor AF-S 85mm f/1.8Gでは、色収差の影響がRチャネルに現れたのでしょう。D800EもNikkor AF-S 85mm f/1.8Gですが、どの色チャネルも安定して見えます。多分、収差の影響が特定のチャネルに集中しなかったのでしょう。

センサーとレンズは、切り離して評価することが出来ないようです。
評判の良いカメラボディとレンズを組み合わせても、良い画像が撮影できるとは限らないようです…。

Foveon’s Quattro Sensor Resolution [Technology]

"Imaging Resource" にシグマの山木社長、Foveon の General Manager と Vice President of Applications とのインタビューが掲載されています。

内容そのものに新規性はないのですが、Foveonから提供された図では、Quattroセンサーの分解能がMerrillセンサーを超えています。

また、新しいTUREIIIプロセッサーはone coreで処理速度は画像1枚当たり2~3秒だそうなので、Quattroセンサー機もMerrillセンサー機と同様に、一枚の写真をじっくりと撮影するカメラになりそうです。ホットピクセルとダークピクセルがMerrillセンサーよりも減っていることを期待しながら、dp3 Quattroを待つことにします。

Too much distortion [Technology]

Sony DSC-RX10は、"ズーム全域F2.8を実現した、大口径カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」レンズ"を誇っていますので、その撮影画像の画質には当然期待を持ちます。DpreviewでRAWデータが公開されましたので、早速現像したところ、個人的には期待外れな結果になりました。

まずは公開データの全体です。
RX10_iso100_full.png
一見して分かることは、糸巻型の強い歪曲です。撮影時のレンズ焦点距離は30mmとなっていますので、決して広角ではありません。

いつものパターン部です。
RX10_iso100.png
分解能は良いのですが、方形に切り出せないほどの歪みと色収差があります。
すべての焦点距離で歪曲と色収差の電子補正を行うことを前提で、レンズ光学系が設計されたのでしょう。

決して小さくはないレンズですが、1型センサーでも、電子補正無しで全域f/2.8の8.3倍ズームをあの大きさにまとめるのは難しいのでしょう。しかし、個人的には"Carl Zeiss"銘にふさわしいレンズとは思えません。

Panasonic vs. Sony [Technology]

先日、店頭に展示されていたLUMIX DMC-GM1を何となく手に取りシャッタを切ったところ、シャッタショックが極めて小さいことに気が付きました。普段、ミラーアップの出来ないD5100でマクロ撮影をしていますが、ミラーのショックでブレてしまうことがあり、フル電子シャッタも可能なGM1に興味が湧いてきました。

LUMIX DMC-G2を使っていましたが、画質に納得できず結局は使わないカメラになってしまいました。そこで、事前にGM1の画質を知るために、Dpreviewの公開RAWデータから現像し、いつものパターン部分を色分解しました。

比較対象は、ILCE-3000とE-M10です。電子先幕シャッタのILCE-5000との比較を行いたかったのですが、データがまだ公開されていないため、同じセンサーのILCE-3000のデータを使いました。

左から、ILCE-3000, GM1, E-M10です。
まずはカラー画像です。
A3000_GM1_E-M10.png

Rチャネルです。
A3000_GM1_E-M10_R.png

Gチャネルです。
A3000_GM1_E-M10_G.png

Bチャネルです。
A3000_GM1_E-M10_B.png

パナソニック製センサーはDxOmarkのスコアが悪いため購入対象から外していたのですが、今回の比較を見る限り、決してソニー製センサーに劣っていないと感じます。比較後に、DxOmarkの測定結果も見返したのですが、すべての項目でわずかにソニー製センサーから劣っているため、その合計がスコアの大きな違いになったと思われます。

また、カメラ生成jpegが悪すぎるのも問題でしょう。
左から、カメラ生成jpeg、ACR現像jpegです。上掲のRawTherapee現像に比べると、ACR現像も良いとは言えません…。
GM1_camera_acr.png

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