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Is a sensor in GX8 made by Sony? [Technology]

パナソニックが新型M4/3カメラとして、GX8を発表しました。
GX8では、センサーが「高画質20M Live MOSセンサー」に更新されています。

GX7のセンサーはパナソニック内製のMN34230でしたが、GX8のセンサーは周辺の配線が最近のソニー風にも思えます。ソニーは既に20M画素の4/3型センサーIMX269を公表していますので、GX8のセンサーがソニー製の可能性はあると思います。

パナソニックのイメージセンサー開発は、富士フイルムと共に「有機CMOSイメージセンサー」の製品化に集中しているかもしれません。

Sony seems to combine a dual PD architecture with F65RS sensor structure [Technology]

harvestimagingに、IISW2015でのキヤノンとソニーの発表が概説されています

キヤノンはDual Pixel CMOSを紹介した様です。

ソニーの発表は、"Sony presented a CMOS imager with auto-focus functionality in every pixel. This sensor is provided with a diagonal pixel orientation, so that the rows have alternatively G pixels and R/B pixels."と説明されています。
言葉だけでは分かりにくいですが、要は以下の図のF65RS用センサーと同じ画素配置で、その画素が二つのPDで構成されているのだと思います。図はソニーのサイトで公開されているものです。
F65RS_004.jpg
さらに、二つのPD間に露光時間の差をつけることでHDRも実現できるようです。
来年のα一桁機は、全面位相差検出モードでフォーカスを合わせ、HDRモードで撮影するのかもしれません。

Sony IMX278 is BSI sensor with RBGW color filter array and deep trench isolation! [Technology]

HuaweiのスマートフォンP8は、RGBWカラーフィルターアレイ(CFA)搭載と発表されています。また、そのセンサーはSony IMX278との噂でした。しかし、RGBW CFAを搭載したセンサーとしてソニーの製品情報サイトに掲載されているのはIMX140だけで、IMX278の詳細は不明でした。

Chipworksの解析から、P8搭載のIMX278はBSIにRGBW CFAを搭載しただけでなく、ディープトレンチアイソレーション(DTI)まで行われていることがわかりました。Image Sensors WorldがChipworksのPDFを公開していますので、ご覧ください。

DTIについてはSamsungがisocellで先行しましたが、ソニーも製品化しました。多分、W画素からの光漏れの抑制に必要なのでしょう。

RGBW CFAとDTIの開発について、ソニーは何も発表していないと思います。HuaweiのP8発表に花を持たせたのなら、P8の開発責任者・部隊は「カメラセンサーは次もソニー」と思ってしまうでしょうね。

The Back-Side-Illumination seems not to be effective over 1-inch type sensor [Technology]

以前、Sony RX100シリーズの画質は、オリジナルRX100から顕著な進化はしていないと書きました。
その際には、暗部ノイズを比較していませんでしたので、DPREVIEWで公開されているISO400のRAWデータを使ってRX100シリーズ三世代を比較しました。

左からRX100、II、IIIです。
RX100_II_III_ISO400.png
レンズやセンサーが異なるため露出が完全にはそろっていませんが、FSIの無印とBSIのII, IIIの暗部ノイズに顕著な差は見られません。
「2.4um程度の画素ピッチで、もはやBSIの効果は実質的に無い」と言えます。


Samsungは、NX1とNX500のセンサーにBSIの28M画素APS-C型センサーを採用しています。
画素ピッチは3.7umで、RX100シリーズの結果からは、BSIの効果は無いと思われます。はたして、暗部ノイズはどうなっているのでしょうか?

DPREVIEWで公開されたNX500の実写画像です。感度はISO200です。
NX500_ISO200_ACR9.0_Camera.png
上がRawのACR9.0による現像、下がカメラ内Jpegです。ACRの方が明るく現像され、その分、首筋の暗部ノイズが目に付きます。NX500の画像は、小型センサーのコンデジや携帯機器のカメラの撮影画像と、よく似ていると感じました。NX500のセンサーには、BSIのアドバンテージは感じられず、狭小画素の弊害が目立つ印象です。


個人的な結論としては、「DSLRやミラーレスでは、BSIは撮影画質に影響を与える技術ではない」と言えます。

Temperature of the sensor in Sony A7s [Technology]

デジタルカメラの冷却改造を行っているCentralDSのメーカーBlogに、撮影中のA7sのセンサー温度に関する記述がありました。

簡単な記述ですが、A7sのセンサーはLVと動画撮影の両方で環境温度よりも7℃以上、Canon 6Dもセンサーを連続駆動すると同様に環境温度よりもセンサーは7~8℃程高くなるようです。
この温度変化で暗電流ノイズは2倍になりますので、電源を入れて直ぐに撮影した静止画とLVをしながら撮影した静止画ではノイズ感が異なってしまう可能性があります。

A7IIはセンサーシフト手振れ補正を採用しましたが、撮影画質への影響が心配です…。

NHK develops an in-pixel ADC sensor [Technology]

NHKと東大生産研が、1画素にADCまでを積層したセンサーを2014 IEEE International Electron Devices Meetingで報告しています。

その要旨です。

4.2 Three-Dimensional Integrated CMOS Image Sensors with Pixel-Parallel A/D Converters Fabricated by Direct Bonding of SOI Layers, M. Goto, K. Hagiwara, Y. Iguchi, H. Ohtake, T. Saraya*, M. Kobayashi*, E. Higurashi*, H. Toshiyoshi* and T. Hiramoto*, NHK Science and Technology Research Laboratories, *The University of Tokyo
We report the first demonstration of three-dimensional integrated CMOS image sensors with pixel-parallel A/D converters. Photodiode and inverter layers were directly bonded to provide each pixel with in-pixel A/D conversion. The developed sensor successfully captured images and confirmed excellent linearity with a wide dynamic range of more than 80 dB.

裏面照射でグローバルシャッターなだけでなく、各画素にADCまで組み込んでいます。

以下は、技研公開でもポスター展示された結晶セレンを光電変換物質に使ったセンサーの報告です。こちらはパナソニックとの共同研究なので、製品化が近いかもしれませんね。

4.3 High Sensitivity Image Sensor Overlaid with Thin-Film Crystalline-Selenium-based Heterojunction Photodiode, S. Imura, K. Kikuchi, K. Miyakawa, H. Ohtake, M. Kubota, T. Okino*, Y. Hirose*, Y. Kato* and N. Teranishi**, NHK Science and Technology Research Laboratories, *Panasonic Corporation, **University of Hyogo
We developed a stacked image sensor on the basis of thin-film crystalline-selenium (c-Se) heterojunction photodiode. Tellurium-diffused crystallization of producing uniform c-Se films was used to fabricate c-Se-based photodiodes laminated on complementary metal-oxide-semiconductor (CMOS) circuits, and we present herein the first high-resolution images obtained with such devices.

A pixel pitch is eveything [Technology]

タイトルは極端な表現かもしれませんが、真実に成りつつあります。
DXO Markの測定結果をご覧ください。

ニコンのD810, D750, D5100のPD性能を比較しています。

SN比です。
SNR.PNG

ダイナミックレンジです。
DR.PNG

トーンレンジです。
TR.PNG

色感度です。
CS.PNG

ピクセルピッチはD750>D810≧D5100で、PDの性能とピクセルピッチ(表面積)には相関が見られます。D5100のセンサーはD7000と同一で、ほぼ同じピクセルピッチで最新のD810よりも丸4年古いセンサーですが、PDの性能自体はD5100 (=D7100)からD810までほとんど進歩していないようです。
つまり、D5100/7000はD800/810のAPS-Cサイズ切り出しに相当することになります。

では、ニコンのDSLRでPDの性能が最も良い機種はD4sでしょうか?
実はそうとも言い切れません。

D750, D4s, ソニーA7Sのダイナミックレンジの比較です。
D750_D4s_A7S.PNG
高感度と低感度の性能は両立しないようです。

当分は、D810/800画質と思いつつD5100とNEX-5Nを使っていこうと思います。

DNP releases two color managed tablets using IROMI engine [Technology]

DNP(大日本印刷)が、カラーマネジメント用LSI”IROMI エンジン”を搭載したアンドロイドタブレットを発表しました。”色味”の再現にこだわったそうなので、興味があります。

仕事でもタブレットを使って画像を見せることが多くなってきましたが、キャリブレーションしたディスプレイを使って作成した画像をタブレットで表示すると、意図と異なる見え方になることがあります。以前、X-Riteのタブレット用カラーキャリブレーションアプリを紹介しました。このアプリを使っても、対応ビューアー以外ではキャリブレーションされないので、”IROMI エンジン”のようなハードウェアキャリブレーションが良いですね。

普及を期待しています。

Quattro is not evolution but devolution from Merrill. [Technology]

Foveon Quattroセンサーを積んだdp2 Quattroのミニレポート「風景撮影でのポテンシャルに迫る」が、"デジカメWatch”に掲載されています。

DP2 Merrillのレビューではその解像感に驚いたのですが、dp2 Quattroでの撮影画像は良く言えば”細密画”のようです。絵の表現技法としての細密画は好きなのですが、撮影画像のそれは解像できていないことの誤魔化しと感じます。緑が背景色になるととたんに輪郭や線に不自然なジャギーが現れますし、ひまわり畑の画像ではボケ方がとても奇妙です。M層とB層のピクセル補完アルゴリズムが万全ではないのでしょう。

Quattroセンサーのアイデアは良さそうだったのですが、Merrillセンサーレベルの画を出力するには、まだ相当な努力が必要と思われます。個人的には、Foveonセンサーの画像を楽しむのなら、dp2 QuattroよりもDP Merrillシリーズです。実売価格を見ると、Merrill機なら同じ予算で2台購入できますね。

Sony starts a challenge to get 50% automotive sensor market by 10x sensitive sensor [Technology]

本年7月初めにソニーは、高感度センサーに”STARVIS”というブランド名を付けました。
それを車載カメラに載せ、マーケットの50%を狙うようです。
*日経の記事ですが、日本語版は有料の為、無料の英語版をリンクしています。

車載カメラ用センサー大手のOmniVisionは中国資本からの買収提案を受けているようです。オン・セミコンダクター(Aptina)とソニーに対抗するためには資金が必要ですが、OmniVisionはどのような判断をするのでしょうか。

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