Leica reduces colors from the high-light area in the in-camera jpeg image.

ライカのカメラから出力される画像は、発色を抑えた硬質な印象で、熱心なファンを存在します。
この画像は、レンズやセンサーのようなハードウェアと画像処理のどちらに由来するのでしょうか？

Dpreviewのスタジオ撮影データには、ライカのカメラがありません。そこで、Photography Blogで公開されているLeica Tの実写RAWデータをRawTherapeeで現像し、同時に公開されているカメラ内jpegと比較しました。

まずRawTherapeeによる現像です。


カメラ内jpegです。


二つの画像が少しずれているのは、ライカもカメラ内jpegではレンズの歪曲収差補正を行っているためです。
また、ライカはハイライトをあえて飛ばしていることも分かります。

ライカのRAWデータを現像して、二つのことに気が付きました。

一つ目は、硬調な画作りと関係しますが、ハイライトの露出に余裕が無いことです。日本のカメラメーカーは、ハイライトが飽和しないような露出で撮影し、jpegでは明るく見えるように補正しています。そのため、RAWをそのまま現像すると、適性よりも1段程度暗い露出に見える画像になります。しかし、ライカではRAWとjpegにそのような露出の差を感じませんでした。ライカは常にセンサーのダイナミックレンジを使いきっていると言えますが、ハイライトの露出を常に意識していないとRAW現像で回復することが出来ませんので、撮影者に優しくはありません。

二つ目は、そのハイライト部がカメラ内jpegでは色がモノクロームになっていることです。掲載した花の画像で、白い花弁に挟まれたガクには、RAW現像では微妙な色があるのですが、カメラ内jpegではほとんどモノクロームになっています。花弁の色も明らかに抜かれています。

富士フイルムはカメラ内jpegでしか出ない色で差別化を図っていますが、ライカは色を抑えることで差別化を図っているようです。ライカの硬質な画は、そのように写っているではなく作っているのだと思います。

コメント 4

カメラによってはハイライトでカラーバランスが崩れることがあります。
仰る通り、ライカはそれを避けていそうですね。

またご存知の通りニコンはハイライト重点測光のような機能を搭載しているので、失敗をなくす方針なのは明らかです(ローライト側はゲインアップで対応出来る)。
失敗を潔しとしないメーカーと、そうでないメーカーの性格の違いが現れて面白いですね。

by えがみ (2014-08-04 22:29) 

> えがみ さん

M8.2とX VarioのRAWも現像してみましたが、ライカはハイライトでセンサーを飽和させることを厭わないようです。仰る通り、そのような部分では偽色が出がちですので、ハイライト部の色を浅くすることで回避しているのでしょう。
私はマイナスの露出補正をかけて色を出したくなるのですが、ライカユーザー方のレビューを読むと、この色の抜け方がライカらしさのようです。

RAW現像に関しては、日本のカメラメーカーの方が楽しめますね。
by hi-low (2014-08-05 00:17) 

私はライカをほとんど使ったことが無いのですが、知り合いのライカ好きの話を聞いていると「媚びてないのがいい」ということだと思えます。至れり尽くせりではなく、ダメなときはダメでいいんだという、、、^^;

ちなみに、ライカ好きにはモノクロ好きが多いというのが私の印象です。ですので、カラーよりもモノクロに合わせたチューニングがされているというと喜びます。そういう関係もあるのではないかと。;-)
by toshi (2014-08-05 02:32) 

> toshi さん

私もライカのカメラを使ったことがないので想像ですが、車に例えればケータハムセブンに乗る感じでしょうか。
撮影画像だけでなく、ライカでの撮影そのものが楽しいのでしょうね。
by hi-low (2014-08-06 12:11)