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Leaf-shutter in a lens [Equipment]

G1 X はレンズシャッターなので、シャッターショックが皆無でシャッター音も静かです。これでレンズが交換できたらと思っていたところ、Hasselblad が X1D を発表しました。レンズシャッターのため、薄くて軽いボディを実現しています。同時発表された2本のレンズも、開放F値が3.5と4.5で欲張っていないため、シャッター最高速度が1/2000秒と高速です。

X1D のデザインは何となく Mamiya 7 を思い起こさせますが、両者ともにシンプルなデザインなので、似てしまうのは致し方ないでしょうね。

多分レンズはフジノンでしょうが、なぜフジは"自社の”Xマウント用にはレンズシャッター仕様レンズを作らないのでしょう。一定の需要はあると思うのですが…。

【追記 2016/06/23-1】
Hasselblad X1D のマウント名も X マウントでした。フジの X シリーズ機としても登場しそうな雰囲気です。
フジがニコンからカメラボディの供給を受けていたことと、X1D のフラッシュがニコン互換なことは関係があるのかもしれません。

【追記 2016/06/23-2】
XCD レンズは、日東光学が製造しているようです。特開2015-222298 を見ると、日東光学は、少なくとも ARRI の Ultra Wide Zoom UWZ 9.5-18 の製造にも関わっているようです。

Trees lining a street [Equipment]

G1 Xの無限遠設定が気になり、マニュアルフォーカスで無限遠に設定し、街路樹を撮影してみました。
現像はDPP ver.4.4.30.2のデフォルト設定で行いました。

まずは望遠端(60.4mm)の開放(F5.8)です。元画像を0.5倍に縮小しています。
trees_tele.jpg
最も右に見える幹は撮影地点から20mの距離で、街路樹は左に行くに従って10mずつ離れていきます。
解像感は、40mから60m先あたりが最も高く、それを超えると徐々に甘くなっていく感じです。

広角端(15.1mm)の開放(F2.8)でも撮影しました。望遠端とほぼ同じ範囲を切り出していますが、広角なのでピクセル等倍です。
trees_wide.jpg
解像感が甘いためもありますが、20mより先はパンフォーカスですね。

G1 Xは遠景が得意ではないようです。
逆に、近景は良いと感じています。
gunkan.jpg

Colors of Canon [Equipment]

昼間に少しだけ自由な時間を取れましたので、G1 Xを持って職場の近くにある小さな植物園に向かい、木陰で自生していた紫陽花を撮影してきました。

左がDPPでの、右がRawTherapeeでの現像です。
Montage.jpg

紫陽花の葉色を見ると、DPPでの現像では赤の濃淡がはっきりわかりますが、RawTherapeeでは赤が強めで一様です。この違いの原因は、DPPが”ダイナミックレンジを拡張して明るい部分の階調を出す”ことと考えています。結果的に中間調の違いが強調されることになりますので、色の濃淡表現も影響を受けるでしょう。

ver. 4.0以降のDPPは、画像の階調が出るように現像時のガンマを最適化するそうです。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/20140829_662683.html
以下が紫陽花を現像した際の例で、左がDPPによる最適化ガンマ、右が固定ガンマです。
Gamma_auto_liner.png
DPPによる最適化ガンマでは、暗部が持ち上がって明部が圧縮されていますので、明らかにHDR処理です。

このようにキヤノンは中間調を重視していますので、センサーのダイナミックレンジ拡張にそれほど積極的でないのは当たり前ですね。また、固定ガンマ値で現像するアプリケーションを使ってキヤノンのRAWのダイナミックレンジやトーンレンジが評価されることは、キヤノンにとっては不本意かもしれません。

My first Canon [with a postscript] [Equipment]

toshi さんからいただいたEOS 20DのRAWを現像して以来、キヤノンの色が気になっていました。そのようなときに程度の良い中古を見つけてしまい、人生で初めてキヤノンのデジタルカメラを手に入れました。

とは言っても、EOSではなくPowerShot G1 Xです。
現像にDPPが使えるようになりましたので、DPP、dcrawそしてRawTherapeeで現像し、カメラ内jpegと比較しました。

まずは、カメラ内jpeg(FINE設定)です。
in-camera.jpg

DPP現像(標準設定)です。
DPP.jpg

dcraw現像(デモザイクアルゴリズムAHD)です。
dcraw.jpg

RawTherapee現像(ニュートラル設定)です。
RT.jpg

カメラ内jpegとDPP現像の色はほぼ同一で、dcrawとRawTherapeeの色もほぼ同一です。しかし、キヤノンの色はフリーの現像ソフトウェアとは明らかに異なっていました。現像時の色空間は、いずれのソフトウェアもsRGBを指定しています。色域は同じでも、キヤノンは独自のカラーマッピングを行っているようです。
今後はグレースケールも撮影し、色温度の調整もした上で比較しようかと考えています。

【PowerShot G1 Xについて】
G1 Xは、1.5型センサーと専用レンズの組み合わせなことと、センサーを飽和近くまで使う露出のためか、ベース感度での画質に不満はありません。しかし、頻繁にフォーカス設定をマクロモードに切り替える必要があり、かなりストレスを感じます。また、マクロモードでも望遠側は驚くほど寄れません…。しかし、G1 Xのレンズはズーム比、明るさ、最短撮影距離のどれもを欲張っていないためか、Dpreviewの撮影画像を見る限り、G1 X MarkIIよりも光学性能は優れているようです。
G1 Xでテーブルフォトを撮影するには、クローズアップレンズが必須です。Canonのクローズアップレンズ250Dを使うと、ズーム全域で約20cm~40cmの間のフォーカスが可能で、望遠側では1/3.85倍(35mmフルフレーム換算でほぼハーフマクロ)の撮影が可能でした。

追記(2016.05.24)
G1 X広角端のRawTherapeeによる補正無し現像とDPPによる電子補正現像です。
Distortion.jpg
簡単な実測では、-7.4%の樽型歪曲収差でした。

In-camera jpeg of Canon [Equipment]

toshi さんから、バラを撮影したK-5のカメラ内jepg、EOS 20DのRAWとカメラ内jpegをいただきました
そこで、カメラ内jpeg、dcraw AHD現像、RawTherapee amaze現像を比較しました。RAWに埋め込まれているカメラ設定のWBと色偏差情報で現像しています。

EOS 20Dカメラ内jpeg
in_camera.png

dcraw現像
dcraw.png

RawTherapee現像
RT.png

K-5カメラ内jpeg
K-5.png

20Dのカメラ内jpegと同じ画像は作れないとは思っていましたが、dcrawとRawTherapeeの発色が大きく異なったことは意外でした。同じデモザイクアルゴリズムでも発色はそろいませんでしたので、私が気付いていない色空間の設定がありそうです。また、K-5は赤が飽和しているために、花弁のディティールが跳んでしまっていますね。

この結果を見ると、キヤノン機は下手なRAW現像よりもカメラ内jpegの方が良い画像のようです。

The dynamic range of K-1 is NARROWER than that of D810 [Equipment]

Dpreviewに掲載されたPentax K-1のテスト記事で、K-1は最も良いダイナミックレンジ性能を示したと報告されました
しかし、Dpreviewのレビュアーは結果の解釈を誤っています。K-1は、ダイナミックレンジが狭いために最終画像のノイズが少ないのです。

グレースケール部位の輝度プロットをご覧ください。14bit RAWをリニアスケールで10進法値に変換しています。

K-1 (ISO100)です。
Plot of K1_ISO100_0EV.png

D810 (ISO100)です。
Plot of D810_ISO100_0EV.png

D810 (ISO64)です。
Plot of D810_ISO64_0EV.png

グレースケールの輝度は同じはずです。しかし、ISO100での明暗の値には、K-1は6000程の差があり、D810では4000程の差でした。値が飽和する輝度とゼロになる輝度の差の大きさがダイナミックレンジです。したがって、ダイナミックレンジはK-1よりもD810が方が広いはずです。

DpreviewとDxOmarkはノイズ量を基準にダイナミックレンジを決定しているようですが、データの解釈を明らかに誤っていますね。

【追記 2016/05/11】
K-1とD800EのISO100での比較です。元画像が上記の比較とは異なる照明条件のため、値が少し異なっています。

K-1です。
Plot of K-1_ISO100.png

D800Eです。
Plot of D800E_ISO100.png

D800EはK-1よりも全体的に値が小さいことが分かります。

元画像全体の輝度分布をご覧ください。

K-1です。
Histogram of K-1_ISO100.png

D800Eです。
Histogram of D800E_ISO100.png

最明部と再暗部の比は、K-1よりもD800Eの方が大きいことが分かります。
K-1のダイナミックレンジは、Dpreviewのスタジオ撮影条件で広いかのような結果になっただけですね。

A camera with the most reliable tone under a low light [Equipment]

ISO100での撮影で、暗部が最も粘ってくれるのはD7200のようです。
画像は、+6EVで撮影されています。

All raw files exposed at ISO100 +6EV are from Dpreview. Please check the site for a detail condition of exposure.

I checked Nikon D5, D810, D750, D500, and D7200, Canon EOS 1D X MII and 80D, Sony A7RII, and Leica SL Typ601.
In images shown below, the tone between 18 and 19 was recognized only in D7200.

D7200
D7200_ISO100+6EV.png

D810
D810_ISO100+6EV.png

D750
D750_ISO100+6EV.png

D500
D500_ISO100+6EV.png

1D X MII
1DXMII_ISO100+6EV.png

A7RII
7RII_ISO100+6EV.png

80D
80D_ISO100+6EV.png

D5
D5_ISO100+6EV.png

SL Typ601
SLtyp601_ISO100+6EV.png

Newer and Larger are NOT ALWAYS better!

PS. 2016/05/06
Intensity plot of the area from 15 to 19 in D7200 +6EV image.
D7200_ISO100+6EV_15-19.PNG

A sensor in D500 seems to be with a multi gain amp + PS [Equipment]

DpreviewがD500のスタジオ撮影画像を、露出補正時も含めて公開しました。
最近のデジタルカメラ用センサーの多くは、マルチゲインアンプを積んでいます。
D500のセンサーはこのトレンドに乗っているのでしょうか?

D500のISO100, ISO400とISO100+2EVでの撮影画像の輝度ヒストグラムです。
上から順に、ISO100, ISO400, ISO100+2EVです。
D500_ISO100_ISO400_ISO100+2EV.png
ニコンには珍しく、0EVでセンサーのダイナミックレンジをほぼ使い切っています。露出補正と感度設定が共に現像時のパラメーターであれば、ISO400とISO100+2EVでの輝度分布は同じで、ISO100よりも低輝度側に寄るはずです。しかし、ISO400の分布は高輝度まで伸び、ISO100+2EVとは明らかに異なっています。

D500の露出補正撮影画像も調べました。
感度設定はISO100で、上から0EV, +2EV, +6EVの輝度ヒストグラムです。。
D500_0-6EV.png
縦軸の位置がそろっていないのはご容赦ください。
画素の輝度値は、補正量に従って素直に低輝度側に集まっていきます。したがって、アンプのゲインは露出補正で変化していません。

D500のセンサーも、最近のトレンド通りにマルチゲインアンプを搭載しているようです。なぜマルチゲインアンプを搭載しているのでしょうか?
D500で撮影されたISO6400とISO100+6EVの画像を比較すると、ノイズは大して変わったように感じませんが、中間輝度の表現に明らかな差があります。ADCのレンジが充分に使えているためでしょう。 D500に関しては、露出補正で撮影するとダイナミックレンジが圧縮され、暗部を少し持ち上げたような画像になります。このような表現が好ましい状況もあると思いますので、感度設定と露出補正をどのように使い分けるかは悩ましいですね。

【追記 2016/04/29 取り消し 2016/04/29】
露出補正画像と低照度下画像の照明条件が同じではないことがわかりましたので、以下の結果は撤回します。
ISO6400とISO100+6EVでの撮影画像のRAWを現像したヒストグラムと縮小画像です。 左がISO6400で、右がISO100+6EVです。
D500_ISO6400_ISO100+6EV.png
ISO100+6EVの方が暗部が持ち上がります。


A sensor in Leica SL (Typ601) should be equipped with a dual gain column amp. [Equipment]

既知のことかもしれませんが、たまたま気が付きましたので、記事として残すことにしました。

Leica SL (Typ601)のセンサーは、デュアルゲインカラムアンプを搭載しています。
Dpreviewの公開RAWから現像した以下の画像をご覧ください。
(注)元記事はCanon 80Dのレビューですが、他のカメラのデータも選択できます。
LeicaSL(Typ601).png
上はISO200設定で5段の露出補正で、下はISO400設定で4段の露出補正です。

一般にCMOSセンサーの画素アンプとカラムアンプのゲインは固定のため、感度設定と露出補正は現像時の係数として使われます。したがって、上掲の画像を現像すると同じ結果が得られるはずです。
ところが、ISO200+5EVには明らかな固定パターンノイズがあり、ISO400+4EVにはそれがありません。ISO200設定での固定パターンノイズは画像長辺に平行なので、画素欠陥ではなく、カラムアンプあるいはカラムADCが原因です。ISO400設定で消えることから、そのうちのアンプが原因とみてほぼ間違いないでしょう。つまり、ISO200まではローゲインで、ISO400以上でハイゲインに切り替わると思われます。

Leica SL (TYP601)では、レアケースでしょうが、ISO200以下設定での大きな露出補正はお勧めできません。

A square in the image from X-Pro2 [Equipment]

まだ、手元に非力な Window 10 タブレットしかないため、自分で撮影した画像をRAW現像できません…。

富士フイルム X-Pro2 で高感度・長時間露出を行うと、センサー表面に見える矩形が撮影画像にも現れるようです。
上記のリンク先を見ていただくと、ISO6400設定の暗黒下3分間露出で、矩形内の輝点密度が外部よりも高くなっていることが分かります。

輝度ヒストグラムを見ると、ISO1600から通常画素のピーク以外に、位相差検出画素由来と思われるピークが出現します。位相差検出画素は部分遮光されているので、輝度補完のために最終データとなるまでの過程で増幅されるはずです。ISO1600以上の設定では、増幅値が周辺画素とずれるのでしょう。

撮影画像からは、増幅が画素のアンプゲインなのかあるいはA/D変換後なのか判断は困難です。しかし、ヒストグラムに分布範囲の狭いシングルピークが現れていることから、低ビットデータに下駄を履かせているように思えます。

X-Pro2ファームウェアの更新


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