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What is what you see? [Technology]

多くのデジタルカメラで、画像の輝度ヒストグラムの表示が可能です。また、RAW 現像ソフトウェアでは、輝度ヒストグラムを参照しながら、現像条件を決定します。

この表示されている輝度はどのような値なのでしょうか?
RAW には、画素が吸収した光子の量をデジタル変換した結果が記録されていると考えられます。私は単純なので、このデジタル値を 10 進法に変換した値だと思っていました。

ところが、そうではないことに、最近ようやく気が付きました。
以下の画像をご覧ください。

DP3 Merrill の RAW を ImageJ という科学研究用画像処理ソフトウェアで現像した結果です。左はリニアスケールでの現像で、右はさらに対数変換した画像です。
IJ_linear_log_8bit.png

以下の画像は、Sigma Photo Pro 6.5.3 で現像した結果です。SPP_8bit.png
見た目は、ImageJ での対数変換画像とほぼ同じです。

SPP は現像時に輝度を対数圧縮するようです。DP3 Merrill は特殊な積層センサを積んでいますので、その特性に合わせた仕様かもしれません。

そこで、DP review で公開されている Leica M Monochrome (Typ 246) による撮影画像を使って、ACR と IJ による現像を比較しました。
KODAK グレースケール部の明部8段分を輝度でプロットしました。ACR_log_linear.png
左から Adobe Camera Raw (ACR)、IJ 対数変換、IJ リニアの現像です。
輝度の変化は、ACR と対数変換では一定ですが、リニアでは明部ほど大きくなります。KODAK グレースケールは印刷濃度が 1/3 EV 単位で変化しますので、リニア現像の数値が正しい結果です。

なぜ ACR や SPP は対数変換するのでしょうか?
現在の PC 用ディスプレイでは、入力値が 2.2 乗されて表示されます。したがって、RAW の輝度値を 2.2 を底とした対数値に変換してディスプレイに出力すれば、元の画像が表示されると期待できるためでしょう。

RAW 現像ソフトウェアが表示する輝度値は、対数変換だけでなく、デモザイク、色温度調整やノイズリダクションなどの様々な処理の結果です。そこに本当の値を期待することが、誤っているのでしょう。

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