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1530/36 = 42.5 [Others]

レンズの性能は被写体との距離によって変化します。

レンズの性能評価では DxO Mark が有名で、Dpreview も独自のスタジオセットを撮影した結果を公開しています。しかし、両サイトとも撮影距離は判然としませんので、公開されている情報から考察しました。

Dpreview の画像には X-Rite ColorChecker Classic が写っています。その大きさ(205 mm x 293 mm)を基準にすると、Dpreview Studio scene セットの横幅は 1530 mm です。したがって撮影倍率は、35 mm フルフレームなら 1/42.5 で、APS-C型なら 1/64.8 です。撮影距離はレンズの焦点距離を倍率で割れば算出されますので、35 mm フルフレームで 50 mm のレンズなら 2.1 m です。実際には 85 mm 程度をつかっているので、3.6 m 程度でしょう。

DxO Mark は撮影画像を公開していませんが、DxO Analyzer Optics Module のカタログには、ITEM Framing Structure として 3mx3mx2.5m(横x奥行きx高さ)のケージが掲載されています。アイテムのレイアウト例には、このケージの横幅の半分ほどの MTF Chart が写っています。より大きなチャートもあるようですので、撮影倍率は、35 mm フルフレーム機で1/100~1/50程度でしょうか。

この程度の撮影倍率で収差が小さなレンズは、DxO Mark のスコアが良くなります。しかしこのスコアは、極論を言えば、より遠距離やより近距離の性能を保証しません。

"三次元的ハイファイ"を謳っている AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G に DxO Mark は低い評価点を与えていますが、”近距離はやわらかく印象的に描写”する設計思想のためでしょう。新たに発表された AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED も"三次元的ハイファイ"で設計されているので、DxO Mark の評価点は高くならないでしょうね。

カメラセンサーの画質は、RAWがあれば、実機が無くても判断できます。しかしレンズは、自分が好きな被写体で実写をしないと、その性能を判断できませんね。

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えがみ

測定する撮影距離を増やすと時間がかかってしまうので、最大公約数的に見れば、約40倍(≒42.5倍)の撮影距離なら殆どのユーザーのニーズを満たせるという判断かもしれないですね。
ただそれなら注意書きとして距離による収差変動があることを明記してほしいものですが。

また洋の東西を問わずランキングが好まれる傾向にあるので、DxO MarkやDpreviewで三次元的ハイファイの評価方法が確立されれば、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4GやAF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDが一位になり売れ行きが変わるかもしれません。

by えがみ (2016-07-31 22:43) 

hi-low

> えがみ さん

標準から中望遠なら焦点距離の定倍から撮影できるでしょうが、広角や望遠では難しそうです。正確に説明するとその解説も必要になりますので、曖昧にしているのだと思います。

ランキングを見るのは楽しいですが、私の場合、往々にして自分にベストなものが載っていませんね。

by hi-low (2016-08-01 17:56) 

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